ERで一日過ごした次の日、予約をとるべく紹介されたTravel Medicine Clinicへ電話した。ERのほうからもFAXしておいてくれるとのことだったが、そのような情報はきていないとのことだった。
そこでERからの紹介だと伝え、予約を取れたのは1週間後。
ERでは検査しただけで、薬の処方は一切されなかった。ただ、もらった用紙には、熱がひどいときはタイラノールを飲むように、関節に痛みがでたときはすぐに医者に診せるようにとのことが記されていただけだった。
1週間はそのまま放置ということ。
タイラノールは、頭痛や解熱のときの薬で、処方箋なしで買える。
この頃は、熱は常に38度あったが、薬を飲んでも効き目がきれればすぐに熱があがってしまうことはわかっていたので解熱剤は飲まないことにしていた。
肝心なのは、抗生物質だ。一週間も抗生物質なしで、また高熱がでたらどうしよう、一時期のあの状態に戻るのは絶対いやだった。高熱がでて苦しくて解熱剤を飲んでも数時間落ち着くだけですぐにまた高熱に戻るのだ。
ERの前に行ったウオークインクリニックでは血尿も確認されたのに、放置しておいたら、どうなってしまうのか、中途半端に抗生物質をやめて細菌が力をつけてしまうかもしれない、そして、、、、。などとすっかりおびえてしまった。
しかし、これがカナダの医療なのだ。
日本とは違い、おもいたったその日に自分で内科なり泌尿器科なり病院を選んで行くことはできない。カナダでは診察や検査が無料だろうが何だろうが、もどかしいのだ。たかが尿路感染症で、さっさと治療をすすめられない。
医者側にしてみれば、たかが尿路感染症ゆえに急ぐ必要もないのだろうが、患者側にしてみれば、さっさと治療してはやく治してしまいたいものだ。
一度日本へ帰ってきたらどうかという日本にいる母の勧めに、私も本気で日本へ帰って病院へいくことを考えたりもした。
インドと違い、カナダでは日本同様抗生物質は医者の処方箋なしでは買えない。
そこで、自宅に日本で念のためにと処方された抗生物質が飲まずにとってあったのを思い出した。
インターネットでよく調べてみると、尿路感染症の治療にも使われる類の抗生物質だったので、自己判断でのむことにした。2週間近く1種類の抗生物質をのみ、まだ熱がさがらない場合、抗生物質を変える必要があるらしいので、まあいいのではないのか。