土曜の朝。
クリニックへ行き、自分の決断を告げ、内側金属のセラミッククラウンをとって欲しい旨を告げた。
それで、その後はどうするの、と聞かれ、申し訳ないが、実はもうすでに別のクリニックへ行ってまだ手付かずの左半分を進めてもらっていること、また彼のところでは(壊れやすいといわれている)オールセラミックではなく内側ジルコニアのセラミッククラウンで、クレジットカードも使えることを話した。
彼女は、1本5000ルピーのクラウンに関しては現金で払うように要求していて、実際に1本125000ルピーのオールセラミックに変更するとなると、すべて現金で払えるほどのお金をインドに持ってきていなかった。
すると彼女は、現金のことはもっともだということで、彼女のクリニックでもカードで支払えるようにできるし、セラミッククラウンに関しては、彼女もジルコニアクラウンのことをいっているという。
拍子抜けした。
ここが問題なのだ。彼女は前回内側ジルコニアで、外側セラミックのクラウンとは一言も言っていなかった。割れやすいと何回も言っていたので、私はセラミックだけでできたクラウンのことだとおもい、彼女の主張はもっともだとおもっていた。
彼女の言い分は、オールセラミックとはジルコニアのことを指すという。
私が調べたかぎりでも、内側ジルコニアはセラミックだけで作ったクラウンより強度は強いが、表面のセラミックが割れる可能性はあるとのことだった。それをさして、彼女はセラミックは割れやすいと言っていたよう。
でも、それをいうなら、内側金属で外側セラミックのクラウンだって同じではないか。
そして、値段は、1本10000ルピーから12000ルピーとのこと。
その差はなにかと尋ねると、クラウンではなくインレー(詰め物)は10000ルピー、クラウン(被せ物)は12000ルピーという。
あれ、前回はクラウン12500ルピーだと言っていたと記憶しているが。私の聞き間違いか、それともとっさに他の歯医者と同じ値段にしたのか。
ともあれ、私はすでに他の歯医者にかかるということを決めたのだ。
そのことを伝え、彼女も了承し、内側金属のセラミッククラウンをとってもらった。
あっけなくとれ、さよならを告げ、診察室を後にした。
全て済んだというほっとした気持ちで、受付で支払いを待った。
そして呼ばれ、言われた金額は10800ルピー。
800ルピーは根管治療を終えた歯に蓋をしたものとおもわれる。
が、10000ルピーは、とってもらった2本のクラウンの値段ではないか。
これは払えません、ときっぱりと告げると、ではドクターと話してきてください、といわれ、こうして再び診察室へ戻った。