私は決めた。
一旦は彼女のところで再びジルコニアクラウンをオーダーすることを約束してしまったが(もしかして彼女の作戦?)、同じ値段ならまだしも、倍以上するのものである。
いくらすでに作ってしまったとはいえ、私に落ち度はないのに、再度彼女のところでジルコニアクラウンをオーダーしなくてはいけない、ということもないのだ。
したがって、予約はキャンセルし、もう彼女のところへは行かない。
彼女のところへ行って、ジルコニアクラウンをつくらない、お金も払わない、という話をしても、はいそうでうすか、というわけにもいかず、彼女も譲らないだろう。
そして彼女が連絡してきたときは、彼女では話にならないから、院長と一緒にホテルまで来てもらい、J次郎も一緒に話し合う、ということを告げることにした。
話し合いのとき、院長と話したい、というくだりで、彼女の顔が曇ったのを私は見逃さなかった。このことが院長の耳に届くと、まずいのではないか。
なので、先手を打って院長に直接今回のことを連絡しようかとも考えたが、とりあえずキャンセルだけして、様子をみることにした。
こんな結果になってしまって心苦しいが、さよなら、先生。
そして、月曜の午後、予約しておいた別の歯科医のところへ行った。
型をとり、むき出しになった歯に、左半分のとと同様、仮の被せ物をつくってくれた。
一週間ほどしか使わない被せ物だが、何回もかみ合わせを調整してくれた。
そして、来週にはすでに型取りした左半分のクラウンができあがるそうである。
支払いはもちろん前払い。ジルコニアクラウン2本分24000ルピー、全額支払った。