インド滞在中にテロの恐怖

15 years ago

テロによるムンバイでの悲惨な夜から一夜明け、マスコミから様々な情報が入ってくる。

現地の新聞やテレビからは生々しい写真や映像が映し出され、その惨劇の有様に震撼する。

専門家による分析などもされているようだが、このような状況にありがちな、いろいろな憶測も飛び交っていて、次はハイデラバードか、とか、過去に処刑された仲間の復讐のため、一人につき百人殺す計画があり、これからもテロは引き続き起こるだろう、などといわれている。

J次郎の会社は、大騒ぎだ。アメリカ本社の、普段ほとんど接触のない重役からも、我々は君が無事であることを心より喜んでいる、などとメールがきたそうだ。

そして、今回のJ次郎の滞在はもちろん、他の赴任者や出張者の引き上げを検討するという。

ちなみに私達がIT都市ハイデラバードに滞在しているとおり、その会社とは世界の企業のなかでも十何番目というアメリカに本社のあるIT企業である。インド国内でのその会社の就業人口は、アメリカ国内に次ぎ二番目にあたり、数万人という人々がその会社に従事している。いわゆる誰もが知っているアメリカの会社、なのだ。あえてテロリストたちの標的になってもおかしくはない。

そして他の企業と同様、インドへのアウトソーシング化は現在進行形である。

ただ、今、もはやアウトソーシングというのは、なにもインドしか選択肢がないわけではない。人件費が安く、英語が話せ、ITに明るい国というのは、他にも候補があるのだ。

そして今回、テロリストたちはインドは安全ではない、ということを世界にしらしめた。実は、今年に入っても、インド国内ではテロは頻繁に起こり、多数の尊い命が犠牲になっている。ただ犠牲になったのがインド人だったため、国外ではほとんど報道されてこなかったのだ。

こうして、もし、ITに限らず、国外企業のインド拠点進出に歯止めがかかることになれば、インドという国にとっても大打撃になる。まさにこれがテロリストの思惑のひとつではないか。

私自身は、といえば、怖いか、といわれれば、怖い。今回のテロについて全面的に解決したわけではないからだ。噂通り、ハイデラバードが標的になり、今滞在しているホテルで同じことが起こる可能性もあるが、だからといって、すぐに帰国することにして、当日空港が襲撃されるかもしれない。

ハイデラバードでは、ショッピングモールやホテルの入り口には、警備員の数が少し増えたが、通りを歩く人々や車の喧騒は変わらない。

ホテルでは食事をしにきた着飾った男女のグループがパーティーの会場の下見をしていた。

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