マラリアは誤診だった

14 years ago

23022010

前回はこちらから。

食事を運んできてくれるウエイターたちはいつもベッドに伏せている私を心配してくれていたが、医者にマラリアと言われたんだと告げると、oops!とか、おおーー、それは残念でしたなどと言って同情してくれた。

インドではマラリアはよくある病気らしく、たいてい誰でも、自分の祖父のときは、とか、ああーしたほうがいい、こうしたほうがいい、という話を持っていた。

それとは対照的に、イギリスから派遣されてきたJ次郎の同僚はその話を聞いて衝撃を受けていた。彼はヘビースモーカーで、外でタバコを吸うので蚊にもたくさんさされていたのだ。

私はといえば母から元気?などとメールがきていたが、あまりに衰弱しすぎていて返事できずに困った。

その昔勉強した国語の教科書に、あの坂をのぼれば海がみえる、という話が載っていたが、飲んだ直後にくる堪え難い強烈な吐き気を覚悟しながら一度に4錠という大量のマラリアの薬を飲むたびになぜだかその一文が頭に浮かんだ。この薬を飲めば、きっと明日にはよくなる、あの時は健気にそう願ったのだ。

さて、3日分の薬を飲み終え、一晩経ってもよくなる気配はなかったので、再度医者を朝呼んだ。

J次郎に電話してもらったが、医者はその日の午後4時過ぎにこれるという。J次郎が1時にはホテルをでるので、12時半までにはきてほしいというと、オーケー、オーケーなどといっていたが、電話をきる間際になって、じゃ、4時半までには行くからという返事。結局は11時から12時の間にきてもらえることになったのだが。

とはいえきっと4時過ぎにくるんだろうなあ、とおもっていると1時近くに医者登場。

診察してもらい、もうマラリアの治療は終わったから、何かの感染症だろうから抗生物質をだす、という医者。

この、とりあえず抗生物質反対派の私を憂い、J次郎が医者に検査を申し出てくれた。医者も承諾してくれ、検査後見合った抗生物質なり薬なりをだしてもらうことになった。

それでその結果と私の状況次第で何もなければそのままで、何かわかればその日の夜10時頃来てくれるという。J次郎に、9時半ころ医者に確認の電話をすれば、10時半に行くから、と言って帰っていった。ん?10時?10時半?もはやどちらでもいい。

同日午後、看護士だか医者だか、ラボのひとだかわからないが男性がきてくれて、採血。血を採り終えると部屋のごみ箱に使い捨ての注射針をろくに包みもせずに捨てていった。

尿検査もあるので採尿もし、彼は帰っていった。部屋のなかでは律儀に裸足だった。部屋の外で脱いだのか、脱がれた靴をみかけなかったので、最初から靴をはかないできたのかどうかはわからない。

夜10時。フロントから電話があり、医者がきているという。ずいぶん早いな、とおもったが、その理由は納得。

血液検査の結果から、マラリアではなかったことが判明。

尿検査の結果、尿路感染症ということだった。症状がよく似ているのだそう。

ああ、、、そうですか、、、。

マラリアの薬自体は飲んでも害はないし、飲んでいる期間はマラリアの予防にもなるしね、などとポジティブに考えてみるも、挫折。薬を飲んでいた3日間は夜遊びはおろか外出せずずっとベッドにいるのでマラリアにかかる心配はゼロなのだ。

まあくよくよ考えても仕方ない。

新しく処方された抗生物質に望みをかけたのだった。

続く。

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