インドのオートリキシャドライバーと私~その4~

14 years ago

22122009

その3はこちらから。

マダム、ここはBrigade Roadという通りで、リッチな人々が買い物をするところです。

2008年の夏、初めて訪れたインドのバンガロールで、Brigade Roadと呼ばれる繁華街を通ったときに運転手が説明してくれた。

前日、私とJ次郎はその通りで夏のセールのショッピングを楽しんでいたばかりだった。

また、その運転手は、一度でいいからいつか自分も飛行機に乗って外国へ行ってみたい。と空を見上げながら言った。

いずれも、答える言葉がでなかった。

そしてそれらの言葉が今でも忘れられない。

Brigade Roadは、トロントの普通のショッピングモールに連ねるような店が並んでいる。何もヴィトンやシャネルといったレベルの店ではない。

そもそもは、滞在していたThe Parkというホテルのプリウスという名前の運転手が自分の私用車の一日貸切を申し出てきて、何度も営業してきたところから始まる。

値段は2000ルピーを提示していたが、なかなか約束を取り付けない私たちに、最終的には1500ルピーでよいと言ってきた。

それでもやや高い気がしたが、いちいち値段交渉してオートリクシャを探すよりいいとおもった。それに、初めてのインドで、みずしらずのひとではなくホテルの従業員だったから少しは安心だし、オートリクシャで行くには遠すぎる動物園にも行きたかったし、バンガロール市内の観光もまとめてしたかったので、カナダからJ次郎の同僚が出張できた時を待ち、お願いすることにした。

当日の朝、プリウスは約束した時間にはなかなかこなかった。30分遅れてあらわれたのは、プリウスではなく、その友達だった。プリウスはなんでも急な仕事が入ったとのことだった。

そのプリウスの友達の運転手は英語も話せ、悪いひとではなさそうだった。

一日観光した後、最後に用があり、ショッピングモールへ寄ってからホテルへ帰ることにした。

そのとき、その運転手は店に行かないかと聞いてきた。J次郎はホテルへ帰ってからも仕事があったし、すでに夕方のラッシュの時間にさしかかり、道は込み始めていた。そのときから1時間以内はホテルへ着きたかった。

それで断った。それでも、フェスティバルの時期で、シャツがもらえるから、ぜひ店に行ってほしいとお願いしたきたが、申し訳ないがホテルへ帰って仕事しなけらばならないので、と丁寧に断った。

それでも、車は店先に停まった。

最後にいたところから直接ショッピングモールへ向かっていれば、5分ほどの用事だったので今頃済ませられていただろうに。

私は再度J次郎が仕事しなければならないので時間がないことを告げ、断った。が、彼は、フェスティバルに備えてシャツが必要だからと、5分だけと譲らない。

いい加減私も腹が立ってきてしまった。だって、この車を貸しきるのに対してはきちんとそれなりの値段しているのだ。それでこんな結果になるのだったら、タクシーを手配したほうがよかったのではないか。

車からは降りず、やっと車はショッピングモールへと向かった。車中はなんともいやな雰囲気だった。

後で、運転手は私たちが店に寄らなかったとプリウスに文句を言っていたらしい。

なんだかなあ。

いったいプリウスはいくら彼に支払っていたのだろう。それがすごく気になる。

今回、このプリウスという男が曲者のような気がおおいにする。はじめから彼は自分のスケジュールなど気にせず、誰かを手配する気で、いわば斡旋のようなことをして自分は働かずにお金を稼いでいたのではないかとも考えてしまう。

運転してくれたプリウスの友達の運転手には同情してしまう気もするが、でももし私たちが店に寄っていたら、もう一軒寄らされていたかもしれない。

そして、J次郎がバンガロールを去るときに空港に向かうのに手配したホテルの車の運転手がプリウスで、そのとき彼は、先日の話を持ち出し、プリウスの例の友達にシャツをあげたいから、店に寄ってくれとJ次郎にお願いしたそう。

J次郎は快く応じ、店へ寄ったという。

がしかし、私は本当にプリウスがその友達にシャツをあげたかどうかすごく疑問だ。だって、その話を持ち出せばもっともらしい口実だから。

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