日本よりカナダへ戻ってきて、やっとランディングを済ませた。
移民局よりパスポートとともに送り返された、提出した書類一式を念のために持参したが、必要はなかった。
審査官は、君何度も、何度もカナダに入国してるねえ、と言い、いくつか質問した。
英語はどこで学んだのか。
彼(スポンサーであるJ次郎)の名前は。
彼はカナダ国民か。
彼の誕生日は。
彼とどこで知り合ったのか。
彼と結婚するつもりはあるのか。
最後の質問で、私は答えにつまってしまった。私たちはコモンローでの関係で申請したが、正直結婚しなくてもこの先ずっとコモンローでもまあいいか、などと考えていた。
ええっとぉ、、、。などといっている私に、審査官は、将来的には結婚を考えてはいるんでしょ?とさらに聞くので、曖昧に、ええ、まあ、などと返事をすると、とにかく今はコモンローということだね、と言われた。
そして、書類にサインし、カナダへようこそ、などと言われ、PRカードが届く説明などを受けた。
さらに隣の部屋のようなところへ行って、OHIPやSINカードの取得の説明書や職探しなどのパンフレットをもらい、それらと一緒にカナダマークのボールペンを面白いデザインの青いナイロンのバッグに入れてくれた。
後ろで誰かがすすり泣く声が聞こえたので、振り返ってみると、金髪の若い女の子が2人の係員に両腕をしっかりとつかまれ出口へ向かって歩いて行くところだった。だって私知らなかったの、と泣きじゃくりながら言い、係員のうちのひとりが、大丈夫だよ、君のせいじゃないよ、などと声をかけていた。