インドで尿路感染症と診断された私。
さっそくインターネットで調べると、どうやら私は高熱や寒気などの症状から、尿路感染症のなかでも、腎盂腎炎にかかってしまったのかもしれない。
抵抗力が弱っているときにかかりやすいよくある病気らしい。さては週末ハードロックカフェに行ったり、その次の日もパブに行ったりして調子にのって夜遊びしていたからか。そもそも水分補給していても、おもったより汗をかくので、あまりトイレに行っていなかったのかもしれない。
それでおもいだしたが、そういえばカナダにきてからも、たまに軽い膀胱炎の初期症状がでたことが何回かあった。具体的にいうと、排尿時にかすかな痛みを感じるのだ。
そういうときは、水をたっぷり飲んで努めて頻繁にトイレに行って治した。
今回は膀胱炎の症状などなかったので、膀胱炎などすっとばして腎臓まで菌がまわってしまったのか。
医者が処方してくれた薬はMONOCEFという抗生物質で、7日分の14錠で254ルピー(500円くらい)。
薬もホテルのひとが買ってきてくれる。ありがたい。
さっそくその夜から抗生物質を飲み始めた。
おもえばこの頃が一番辛い時期だった。
マラリアではないのにマラリアの治療などしていたのでその間菌が十分に蔓延してしまったのか。
食事は一日にコップ一杯のオレンジジュースとスイカを少し口するだけだった。
強烈な寒気の後に熱がでて、大量の汗とともに少し解熱。これを一日に3回は繰り返すのだが、発汗時に枕が濡れてしまうので、枕の上にタオルを敷いた。頭痛もひどく、J次郎が仕事に行った後には電気を全て消し、射光カーテンをひき、昼間から部屋は真っ暗の暗黒状態。
そして、菌を洗い流すべく、努めて水を飲みトイレに行くようこころがけた。
しかし、おもうように尿として水分を排泄できていないことに気がついた。
先ほど記したが、発熱のあとにくる発汗が、半端ではないのだ。汗で髪はぐっしょりと濡れ、枕も濡れてしまう。サウナでサウナスーツをきているくらい発汗する。加えて薬の副作用か、下痢もはじまった。
そういうわけで、さらにがんばって水を飲むことにした。
医者は、2日で熱が下がると言っていたのでかなり期待していたものの2日経っても一向によくならず、帰国の日が近づき焦っていたので医者に電話したりした。もう少し待て、と言われただけだった。
ところが、ちょうど薬を3日分飲み終えて数時間した午後、ふと体がずいぶん楽になっているのに気がついた。そして、締め切られたカーテンのむこうの外の世界が気になる。
ふらふらしながらもそっとカーテンをあけてみた。すると視界に広がる青い空が気持ちいい。そこでカーテンを全開にした。ベッドにもどり、いつまでも緑の木々と青い空を眺めていた。
それからはずいぶん楽になり、食事もスイカ以外のフルーツも食べられるようになり、ついに朝のブッフェにもなんとか自力で歩いていけるようになったのだった。