どんよりした曇り空の日、特に予定のない週末の午後、ぎょうざを作った。
我が家では、皮も手作りして、せっせと包み、冷凍しておく。
餃子の皮を自分で作るようになったのは、カナダへ来てからだった。カナダでは小麦粉といえばAll Purpose Flowerが一番出回っていて、餃子の皮作りにもちょうどよかった。
それに餃子の皮もどこにでも売っているわけではなかったし、チャイナタウンへ行く機会があって買えたとしても余ってしまっていた。
最初は時間もかかったが、回を重ねるごとに段々上達してきて、手際がよくなってくるのがおもしろい。
ぎょうざ作りはやや手間はかかるが、自分でつくるとおいしい。
香港出身の知り合いは、餃子の皮なんて1ドルかそこらで買えるのに、と、手作りなんてしたことないというが、私は黙々とこういう単純作業に没頭するのが好きなのだ。
餃子といえば、何年も前、宇都宮へ寄った際、宇都宮でも1、2を争う餃子の有名店だというところを調べて行ったことがあったが、そのときの餃子の味が思い出せない。
思い出すのは、入り口に待つ人々を尻目に店のなかで客は皆黙々と餃子のみを食べていたあの独特の雰囲気だった。