2012年1月29日(日)
私たちを乗せた長距離バスはほぼ時間通りに朝6時半にグラナダのバスターミナルに到着した。外は真っ暗。気温3度
バスを降り、バスターミナル内でトイレを探したがみつからなくて行ったり来たりうろうろしていたら、ここではトイレはSERVECIOSというのよ、と察した女性が親切に英語で声をかけてくれた。マドリッドではトイレはASEOSだった。
バスターミナル内のカフェテリアはすでにオープンしていて、熱いカフェオレ、カフェコンレチェがおいしかった。ここでほっと一息、少し落ち着くことができた。マドッリドで買っておいたみかんを食べる。長い時間バスに揺られた後は、みかんが爽やかでおいしく感じられた。持ってきておいてよかったとおもった。
洗面したり身支度を整えてから、市バスの3番に乗る。乗ったバスは自動音声や表示で次のバス停を知らせる仕組みにはなっていなかった。そこでドライバーに行き先を告げ、どこで降りたらいいのか聞くと、GRANVIA1で降りるのよ、と教えてくれた。それだけでなく、目的のバス停に着いたとき、ここで降りるように、と声をかけてくれた。さらにグラナダで滞在するホテルまでの道順を教えてくれた。J次郎がスペイン語ができるのが本当にありがたかった。
バスはCALLE REYES CATALICOS に近い、CALLE GRANVIA COLONに停まり、そこからホテルまで歩いて5分。ドライバーのおかげもあり、わりとすぐに、迷うことなく見つけることができた。
滞在するホテルはBEST WESTERN Hotel Dauro II、ここでもベストウエスタン系のホテルだ。バーやレストランの連なる細い小径にある、こじんまりした感じのよいホテルだった。
チェックインの時間にはだいぶ早かったので、荷物を預け、フロントで夜のフラメンコショーのツアーを予約する。
その後グラナダ観光のメイン、アルハンブラ宮殿へ向かう。
舗装された坂道を延々と登る。高い木々に囲まれた道の両側には細い水路がある。麓に向かって流れる水のせせらぎが耳に心地よく、朝の新鮮な空気は清々しく気持ちいい。ダウンタウンで生活している身にには魂が生き返るようだ。
8時過ぎてやっと明るくなってきた。人通りもまばらで吐く息が白い。
長いこと坂をのぼり、入り口に着きプリントアウトした予約表をみせ、チケットと引き換える。
アルハンブラは入場制限があるので事前予約は必須なのだ。
イスラム建築の宮殿は素晴らしく見事だった。
壁も天井も細部までまるで繊細なレースの織物のような彫刻が施してある。
延々と坂道を登ったかかいはあった。
涼しいところに建てられているため、宮殿内は寒く底冷えがした。ところどころにある噴水の水の音はより一層涼しげだった。
ゆっくりみていたので、宮殿内には小1時間ほどいた。
その後近くの塔に登る。眺めはまさに絶景。天気が良く、雲ひとつない青空だった。
敷地内は広く、暖かい陽射しをあびながらのんびりとみてまわった。
すっかり冷えきって、9時に着いて出たのは13時近く。
ホテルへ戻りチェックインする。
明るく居心地の良い部屋だった。
マドリッドで泊まったホテルと違い、セーフティーボックスはその都度お金を入れる必要がなかった。
部屋にはバスタブがあったので、この日の夜、冷えた体を温かいお湯に浸かって温め、一日の疲れを癒すことができたのはありがたかった。
コーヒーメーカーや湯沸かしなどはなかったが、ロビー脇にセルフサービスでティーが飲める部屋があり活用した。
J次郎はかなり具合が悪くなりダウン。
まだ午後早い時間だったので、J次郎をホテルに残し、ひとりでグラナダの街を散歩する。
土産物屋では、寄せ木細工の工芸品に惹き付けられた。イスラムvsキリスト教のチェスがあった。
スーパーのイングレの斜め前の広場に市場をみつける。フレッシュな野菜やフルーツなどはなかったが、チーズやパン、ハム、チョリソーやスイーツが売られていた。
ホテルに戻るとJ次郎は熱がでていた。普段熱などでたことがないというのに。
夜になっても熱は下がりそうにもなかったので、悩んだ末予約しておいたフラメンコショーはひとりで行くことにした。
Cueva de la Rocioというところで、フロントにおいてあったパンフレットにはミシェル オバマ大統領夫人が写っていた。
狭い洞窟式住居内で繰り広げられるフラメンコショーはすごい迫力だった。
特に前方にステージがあるわけではなく、奥行きのある細長い部屋の壁にそって両側に一列に椅子が並べられ、ダンサーはその間の狭いスペースを踊るのだ。部屋の中央付近に座ったわたしは、行き交うダンサーに足を踏まれるのではないかとおもうくらい、かなりの至近距離で鑑賞することになった。
本場のフラメンコを堪能した後はアルバイシン地区のウオーキングツアー。ところどころガイドさんの解説を聞きながら、迷路のような狭い路地を歩く。寒くて凍えるような夜だった。私たちの他には誰もいなくて、あたりはしーんと静まり返っていた。
先ほど行ったアルハンブラ宮殿を対面に眺める。
ライトアップされた宮殿はきれいで、まるで闇に浮かび上がるかのようだった。
体はすっかり冷えきっていた。ホテルへもどり、バスタブにお湯をはり冷えた体を温めた。
J次郎はまだ熱が下がっていなかったのが心配だった。