トロントへの帰国はカンクンの空港からの予定なので、メキシコシティ―からカンクンへ飛行機で、カンクンからイスラムヘレスへはフェリーで移動した。
わざわざカンクンからイスラムヘレスへ移動したのは、海藻問題のせいだった。ビーチに押し寄せる海藻問題は観光に深刻な影響を及ぼしていた。それで調べたら、海藻問題の被害を被っていないのはイスラムヘレスの北側のビーチだということが決め手となった。
週末は、メキシコシティーの南側にあるコヨアカンへuberで車を手配して行った。
コヨアカン地区は、青の家と呼ばれるかつてフリーダカーロが住んだ家が有名。今は美術館として運営されており、観光サイトとしては小規模ながら近年人気の観光スポットとなり、もはや事前のオンラインでのチケット購入がが必須となった。それでもかなり前から予約しなければいけないそうで、観光バスのガイドさんは、私たちがその日訪れたことを告げたら驚いていた。コロナ禍で海外からの観光客が減っていたせいで予約ができたのは幸運だった。
週末の朝はいつも食べる朝食の店が閉まっているので、土、日はバルバコアラムのタコスの屋台で朝食を食べた。
テーブルや椅子もセットされ、屋外で座って食べる。朝7時くらいから午後早い時間、2時ころまでやっていた。週末にはここで食べるのが楽しみだった。
かなりの時間をかけてゆっくりと蒸し焼きにされた子羊の肉は柔らかくジューシーで、この店はトルティーヤの上にたっぷりと肉を乗せてくれる。そのうえにサボテンの漬物をのせ、好みでトマトや玉ねぎ、コリアンダーの葉をトッピングして食べる。
肉を蒸したときにでるの汁で作られたスープもおいしいので、いつもセットで頼んだ。
7月中旬のメキシコの朝、気温16度。晴れ。メキシコシティの朝は夏でも寒いので長袖シャツにパシュミナを羽織る。
朝食を済ませた後は、近所に見つけた洗濯屋へと歩いて向かう。
メキシコで驚いたこと、それはタコス。
私が今まで食べてきた、こう、とおもってきたタコスと全く違うものだった。そしておいしい。
メキシコで食べたタコスはもっとシンプルな材料で作られる食べ物だった。
2021年の夏のこと。勤務する会社からの要請で会議に出席する必要があり、メキシコに最低でも2週間の予定で滞在することになった。
出席しなければならない会議は毎日ではないので、基本的にはメキシコシティ滞在のリモートワークとなる。
入国審査の途方もなく長い列に疲れ切って夜遅くフォーシーズンズホテルにチェックインした。