帰国の日。トロント行のフライトは午後2時だったが、念のため早めに朝8時にエステリロスエステのエアビーを出た。渋滞にあうこともなく、10時にはサンホセの国際空港に到着した。
早すぎてエアカナダのカウンターが開いておらず、列に並んで1時間近く待った。オンラインでチェックインは済ませていたし、預ける荷物はないのだが、私はカナダのパスポートを持っていないので、カナダに帰るときはいつも航空会社の職員がPRカードを保持していることを確認する必要があるのでカウンターに並ばなければいけなかったのだ。
コスタリカ生活で気になった点といえば、物価の高さ。今回滞在した太平洋側はカリブ海側と比べて物価が高めらしいが、平均年収は120万円とカナダや日本よりずっと低いのに、カナダや日本とさほど変わらない印象。
キウイはカナダでは一個80セントくらいで買えるが、コスタリカでは795コロン(約140円)もした。カナダでは1ドルくらいで買えるがきゅうりが1個2000コロン(約350円)もした。その他セロリも2度と買わなかった。
それでも、コスタリカの気候に適した、固有種や大量栽培しやすいものは比較的安いので、そういったものを中心に選んで自炊していた。
エステリロスオエステのエアビーのオーナーの男性とは時折彼がゴミ出しなど外にでてくるときに会話したが、会うときは常に上半身裸の水着姿で裸足。せいぜいたまに靴を履いているくらいで、ついに彼が服を着ている姿は一度もみることがなかった。
彼はアメリカ人で、奥様がコスタリカ人、奥様のお母さまと3人で暮らしている。奥様のお母さまが、貸し出している部屋を掃除したりといった役割を引き受けている様子。お母さまは天気予報より正確に雨が降ることを予想していた。印象に残っているのは、ある日奥様が白ワインが注がれたグラスを持って外に出ていこうとするときだった。挨拶すると、隣の住人とおしゃべりしに行くそう。どこの家も外に椅子とテーブルを置いていて、そこでくつろいで過ごすライフタイルなのだ。なんてすばらしいのだろうとうらやましく思った。
1月下旬、気温マイナス15℃、極寒のトロントから飛行機の直行便で6時間、地上の楽園と呼ばれるコスタリカの首都サンホセの空港へ到着した。
飛行機を降りた後の入国審査は長蛇の列だった。1時間は待つものと覚悟したが、職員により首尾よく管理されていて40分ほど並んで終えた。
空港の外へ出ると午後の強烈な日差しがまぶしい。気温は28℃、酷な暑さは感じない。