歯医者との決別

私は決めた。
一旦は彼女のところで再びジルコニアクラウンをオーダーすることを約束してしまったが(もしかして彼女の作戦?)、同じ値段ならまだしも、倍以上するのものである。
いくらすでに作ってしまったとはいえ、私に落ち度はないのに、再度彼女のところでジルコニアクラウンをオーダーしなくてはいけない、ということもないのだ。
したがって、予約はキャンセルし、もう彼女のところへは行かない。
彼女のところへ行って、ジルコニアクラウンをつくらない、お金も払わない、という話をしても、はいそうでうすか、というわけにもいかず、彼女も譲らないだろう。
そして彼女が連絡してきたときは、彼女では話にならないから、院長と一緒にホテルまで来てもらい、J次郎も一緒に話し合う、ということを告げることにした。
話し合いのとき、院長と話したい、というくだりで、彼女の顔が曇ったのを私は見逃さなかった。このことが院長の耳に届くと、まずいのではないか。
なので、先手を打って院長に直接今回のことを連絡しようかとも考えたが、とりあえずキャンセルだけして、様子をみることにした。
こんな結果になってしまって心苦しいが、さよなら、先生。
そして、月曜の午後、予約しておいた別の歯科医のところへ行った。
型をとり、むき出しになった歯に、左半分のとと同様、仮の被せ物をつくってくれた。
一週間ほどしか使わない被せ物だが、何回もかみ合わせを調整してくれた。
そして、来週にはすでに型取りした左半分のクラウンができあがるそうである。
支払いはもちろん前払い。ジルコニアクラウン2本分24000ルピー、全額支払った。
歯医者と言い争う

再び診察室に戻り、10000ルピーは払うことができませんと伝えると、話し合い、というか言い争いが始まった。
彼女は穏やかな方なので、頭に血が上って大声を出してののしったり、罵声を浴びせたりということは一切ないが、かといって気が弱いタイプでもない。
また、開業医ではなく、診察室は病院の中にあった。小児科などがある、普通の病院である。
そして、何故かはわからないが、クラウンに関してはその都度診察が終った後に支払う形ではなく、全てのクラウンが入れ終わった後に一括で支払うことになっていた。
そう、幸いなことに私はまだ2本のクラウンの費用を払っていないのだ。
もし、型取りしたときに前払いで一括で払っていたら、こうはいかなかっただろう。
彼女はすでに作ってしまったのにお金を払わないなんて、そんなことできない、少なくとも8000ルピーは支払うように言ってきた。10000ルピーのところ8000ルピーって、それでもまだ高い。
私も、こういう事態は避けたかったが仕方ない。
私はアレルギーのために金属を取り除きたいと言ったのに内側が金属のものをオーダーしたのはあなたであり、私ではない、この場合悪いのはあなたのほうで、私ではない、私には一切非はなく、支払わないといったことをきっぱりと伝えた。
それでもそんなことはできない、支払いの請求がきたときに院長に説明がつかない、などと言ったので、院長には私が話す、というと、院長はここにはいない、という。では、電話で話す、というと、今休暇中だから、ということだった。
彼女は彼女の主張を、私は私の言い分を主張し平行線だった。
そして、しまいに彼女も、妥協案を出してきた。12000ルピーのジルコニアのものをオーダーするならば、技工士のほうになんとか伝えて安くしてもらうという。
そこで私も、12000ルピーで2本のジルコニアクラウンをオーダーしても良いが、合計で24000ルピー払う以外、取り除いた内側金属のクラウンについては一切支払わないと主張した。
彼女は、わからないがやってみる、ということで、月曜日の朝ジルコニアクラウンの型取りの予約をして診察室を後にした。
ホテルに帰り、その日一日そのことが頭から離れなかった。
私は、左半分のジルコニアクラウンを他の歯医者にオーダーした時点で、その歯医者に内側金属のクラウンをとってもらうこともできた。それだと無料である。
そして、彼女の前に2度と現れないこともできた。
でも、彼女は抜歯してインプラント、などとは言わず感染根管もしっかりと治療してくれたし、私が歯磨きのときの力のいれすぎで歯にダメージを与えていることを教えてくれたりと、歯科医として彼女のことは嫌いではないし(むしろ好き)誠意をみせるべく、再び彼女のもとへもどり、自分の決断を告げ、お金を払ってクラウンをとってもらったのだ。
でも、なんとなく、彼女のもとでジルコニアのクラウンを再びオーダーするのには気乗りがしない。
アレルギーのためとはいえ虫歯や根管治療と違って、金属を取り除きセラミックのものに変えるのは審美の範囲になってくる。
彼女は、商業的ではないし、虫歯などの歯の治療にはいいのだが、審美の範囲になると、他の歯科医のほうが良いようにおもえて仕方がないのだ。
虫歯などの歯の治療に関してはすべて言われたままに支払うが、今回は審美の範囲で、患者の望むこと、満足度に対して支払われるべきである。
よって、金属を取り除いてほしいという理由だったのにもかかわらず、一切説明なしで別の金属のクラウンをオーダーしてしまうのはどうなのか。
そして、いつも、あれ、私の聞き間違いだった?ということがたびたびある。
案の定、話し合いのなかで、内側が金属になることも事前に伝えた、などと言ってきた。これに関してはそのようなことは一切ない。
ここまでトラブルが起きていて、歯の治療以外のことを彼女に任せるのはもう不安なのだ。
J次郎とも意見が一致した。
続く。
歯医者で起こった残念なこと~3~

土曜の朝。
クリニックへ行き、自分の決断を告げ、内側金属のセラミッククラウンをとって欲しい旨を告げた。
それで、その後はどうするの、と聞かれ、申し訳ないが、実はもうすでに別のクリニックへ行ってまだ手付かずの左半分を進めてもらっていること、また彼のところでは(壊れやすいといわれている)オールセラミックではなく内側ジルコニアのセラミッククラウンで、クレジットカードも使えることを話した。
彼女は、1本5000ルピーのクラウンに関しては現金で払うように要求していて、実際に1本125000ルピーのオールセラミックに変更するとなると、すべて現金で払えるほどのお金をインドに持ってきていなかった。
すると彼女は、現金のことはもっともだということで、彼女のクリニックでもカードで支払えるようにできるし、セラミッククラウンに関しては、彼女もジルコニアクラウンのことをいっているという。
拍子抜けした。
ここが問題なのだ。彼女は前回内側ジルコニアで、外側セラミックのクラウンとは一言も言っていなかった。割れやすいと何回も言っていたので、私はセラミックだけでできたクラウンのことだとおもい、彼女の主張はもっともだとおもっていた。
彼女の言い分は、オールセラミックとはジルコニアのことを指すという。
私が調べたかぎりでも、内側ジルコニアはセラミックだけで作ったクラウンより強度は強いが、表面のセラミックが割れる可能性はあるとのことだった。それをさして、彼女はセラミックは割れやすいと言っていたよう。
でも、それをいうなら、内側金属で外側セラミックのクラウンだって同じではないか。
そして、値段は、1本10000ルピーから12000ルピーとのこと。
その差はなにかと尋ねると、クラウンではなくインレー(詰め物)は10000ルピー、クラウン(被せ物)は12000ルピーという。
あれ、前回はクラウン12500ルピーだと言っていたと記憶しているが。私の聞き間違いか、それともとっさに他の歯医者と同じ値段にしたのか。
ともあれ、私はすでに他の歯医者にかかるということを決めたのだ。
そのことを伝え、彼女も了承し、内側金属のセラミッククラウンをとってもらった。
あっけなくとれ、さよならを告げ、診察室を後にした。
全て済んだというほっとした気持ちで、受付で支払いを待った。
そして呼ばれ、言われた金額は10800ルピー。
800ルピーは根管治療を終えた歯に蓋をしたものとおもわれる。
が、10000ルピーは、とってもらった2本のクラウンの値段ではないか。
これは払えません、ときっぱりと告げると、ではドクターと話してきてください、といわれ、こうして再び診察室へ戻った。
続く。
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歯医者で起こった残念なこと

2日前から喉が痛くてなかなか眠れない。
風邪をひいたようだ。
熱っぽいし体もだるい。幸い食欲はあるので、こんなときは食べられるものをしっかりと食べ、おとなしくベッドで過ごすのが一番よいのだが、ああ、やっぱり、とおもった。
先週末3日間、抗生物質をのんでいたのだ。
細菌感染した歯根の掃除に歯医者に通っていたのだが、ある日2回目の掃除を終えた夜、歯茎が猛烈に痛み始めた。次の日の朝予約を入れていたので、処方された痛み止めを飲んで寝た。
すると次の日の朝、歯茎がぷっくりと腫れていた。前日ほどではないが痛みもまだある。
調べてみると、細菌感染した歯根の治療中にこのようなことはよくおきるらしい。それまでぬくぬくと平穏に生活していた細菌が、必死に暴れて抵抗しているのだろうか。
治療してもらい新たに痛み止めと抗生物質3日分が処方され薬局へ行ったが、できれば抗生物質をのみたくなかったので、薬剤師にこれは強いのかどうか聞くと、これを飲まなきゃ歯は良くならないよ、といわれ、仕方なくのんだ。
抗生物質をのむと、抵抗力が弱くなり、なにかしらおきるのだ。
薬をのみおえ、週明けには痛みもおさまり、昨日再び歯医者へ行った。
前回、セラミックのクラウンをオーダーすべく、歯の型をとっていたのだが、それができあがり、いよいよ歯にかぶせた。
噛み合わせもよく、私はうきうきだったが、鏡をみせてもらったとき、歯の裏側に黒い筋があった。
嫌な予感がし、これはオールセラミックなんですよね?と聞くと、そうよ、オールセラミックよ、歯の裏の黒い筋は、メタルで、歯茎が上がれば見えなくなるから問題ない、とのこと。
が、しかし、私は呆然。
私 「オールセラミックではないんですか?」
先生「そうよ、セラミックよ、内側はメタルで、外側は全てセラミックよ」
私 「銀色のかぶせ物からセラミックに変えたかった理由は、アレルギーのためなんですけれど」
先生「このメタル部分は銀と○○(忘れたがたぶんパラジウム)でできていて、すでに入っているメタルの詰め物と比べてアレルギーの心配はいらないから大丈夫。メタルなしのセラミックのみ場合、割れやすいの。」
私 「、、、、。」
先生「次回は左半分の残りの型を取りましょう。」
なんかだ府におちないまま歯医者をでた。
すぐにホテルに帰り、調べた。
確かに、オールセラミックより、内側メタルのセラミックのほうが、強度がよく、特に今回のような奥歯には向いているらしい。
がしかし、ただ単に見た目が白いのがよいという審美で変えたいのではなく、アレルギーという切実な悩みのためにセラミックを希望したのだ。
そして、金属アレルギーのためということは、初回に見積もりを聞いた時点で彼女には伝えた。
歯科医からしてみれば、アマルガムなどの古いメタルを取り除くことでアレルギーの問題はクリアできたと思っているのだろうし、外側部分はプラスチックではなく全て(オール)本物のセラミックだし、割れやすいセラミックのみのクラウンを奥歯にいれることはできない、という彼女の歯医者としての信念もあったのだろうとおもわれる。
さらに、金属アレルギーの観点からいうと、内側部分に粗悪な金属を使ってしまう歯科医もあるが、銀(とたぶんパラジウム)はましといえる。しかし、チタンや金(ゴールド)だったらまだ低アレルギーといえようが、銀は決してそうではない。
J次郎が帰ってきて、事の次第を話すと、私と意見が一致した。
金属を取り除きたかったのに、一本1万円もかけて、違う金属をいれることに何の意味があるのだろう。
強度の問題でいうならば、かぶせてあった銀色の金属で十分なのだ。
セラミックのみの場合壊れやすいといっても、そのときはそのときなのだ。
ちなみに、今回彼女が私の歯にかぶせたものは、日本でメタルボンドとよばれ、同じものを日本で作ると、一本8万円から十数万するらしい。
もし白いのに変えたいだけだったら、彼女は考えてきちんとしてくれているのだ。
お金もこのクラウンに関しては全てまとめて後払いで、昨日いれた2本のクラウンもまだ払っていない。
明日、彼女と再度話すことにした。
さて、どうなることやら。
続きは後日。




