マラリアは誤診だった

食事を運んできてくれるウエイターたちはいつもベッドに伏せている私を心配してくれていたが、医者にマラリアと言われたんだと告げると、oops!とか、おおーー、それは残念でしたなどと言って同情してくれた。
インドでは人々にとってマラリアはよくある病気らしく、たいてい誰でも、自分の祖父のときは、とか、ああーしたほうがいい、こうしたほうがいい、という話を持っていた。
それとは対照的にイギリスからおくられてきたJ次郎の同僚は、その話を聞いて衝撃を受けていた。彼はヘビースモーカーで、外でタバコを吸うので蚊にもたくさんさされていたのだ。私も母から元気?などとメールがきていたが、返事できずに困った。
その昔、国語の教科書にあの坂をのぼれば海がみえる、という話が載っていたが、飲んだ直後にくる強烈な吐き気を覚悟しながら一度に4錠という大量のマラリアの薬を飲むたびになぜだかその一文が頭に浮かんだ。この薬を飲めば、きっと明日にはよくなる、健気にそう願ったのだ。
さて、3日分の薬を飲み終え、一晩経ってもよくなる気配はなかったので、朝再度医者を呼んだ。
J次郎に電話してもらったが、医者は4時過ぎにこれるという。J次郎が1時にはホテルをでるので、12時半までにはきてほしいというと、オーケー、オーケーなどといっていたが、電話をきる間際になって、じゃ、4時半までには行くから。結局11時から12時の間にきてもらえることになった。
きっと4時過ぎにくるんだろうなあ、とおもっていると1時近くに医者登場。
診察してもらい、もうマラリアの治療は終わったから、何かの感染症だろうから抗生物質をだす、という医者。
この、とりあえず抗生物質反対派のわたしに対し、J次郎が医者にテストを申し出てくれた。医者も、承諾してくれ、テスト後見合った抗生物質なり薬なりをだしてもらうことになった。
それで結果次第と私の状況しだいで何もなければそのままで、何かわかればその日の夜10時ころきてくれるという。J次郎に、9時半ころ医者に確認の電話をくれれば、10時半に行くから、と言って帰っていった。ん?10時?10時半?もはやどちらでもいい。
午後、看護士だか医者だか、ラボのひとだかわからないが男性がきてくれて、採血。血を採り終えると部屋のごみ箱に使い捨ての注射針をろくに包みもせずに捨てていった。
尿検査もあるので採尿もし、彼は帰っていった。部屋のなかでは律儀に裸足だった。部屋の外で脱いだのか、脱がれた靴をみかけなかったので、最初から靴をはかないできたのかどうかはわからない。
夜10時。フロントから電話があり、医者がきているという。ずいぶん早いな、とおもったが、そのわけは納得。
血液検査の結果から、マラリアではなかったことが判明。
尿検査の結果、尿路感染症ということだった。症状がよく似ているのだ。
ああ、、、そうですか、、、。
マラリアの薬自体は飲んでも害はないし、のんでいる期間はマラリアの予防になるしね、などとポジティブに考えてみるも、挫折。夜遊びはおろか外出せずずっとベッドにいるのでマラリアにかかる心配はゼロなのだ。
まあくよくよ考えても仕方ない。
新しく処方された抗生物質に望みをかけたのだった。
続く。
マラリアと診断される

私がブログを長らく更新しなかった場合、PCに問題が起きたか、私自身に問題が起きたかのどちらかであるが、今回は後者の場合。病気にかかってしまい高熱に苦しむ日々を過ごしていたのだ。
それは2月1のこと。朝起きるとめまいがし、ふらつく。J次郎のシャツにアイロンをかけるのも辛かった。
それでも朝食はしっかりと食べられたし、軽い貧血だろうとおもいその日は普通に過ごした。
次の日の火曜は、寒気がして、昼食にこれといって食べたいものがなく、GVKモールのフードコートでジェラートを買って食べた。その夜頭痛がしたので頭痛薬を飲むと体もすっきりした。
水曜日。熱が出始めた。
夜には高熱になった。夜中に大量の汗とともに解熱し、その後寒気に襲われた。
これを毎日繰り返した。
このころにはまだ食欲もあってアイスクリームなどの口あたりの良いものは食べられていたため、風邪だろうとおもい、十分に熱をだしたら次の日には治るだろうとおもっていた。
しかし、日曜の午後になっても一向に治る気配がないので、J次郎がやっと仕事が休みになったこともあり医者を呼んだ。
ホテルのフロントに連絡すると、提携している医者が20分で来てくれた。
自分で車を手配して病院まで行かなくてもいいのはありがたい。
ちなみに一回の医者の往診費用は500ルピー。
症状を伝え、問診の結果、なんと、マラリアということだった。
J次郎も私も一瞬目が点。
蚊をみればやみくもにマラリアとみなし、昼間でもサンダルははかず靴を履き、ロングパンツに五部袖丈のシャツがインドでの定番のスタイルだった。それでも数回さされたのだが。
その数回のうちのどれかが憎きハマダラカだったというわけか。
こうして3日間のマラリア治療がスタートした。
日本だったら即入院だろうが、ここでそんなことはしたくない。
MALARONEという薬を1日1回4錠飲む。
実はこの薬、初めてインドに来たとき、マラリア予防薬としてJ次郎に処方されたもの。
薬の副作用に耐えかね、J次郎は数日飲んだだけで挫折してしまったが、処方してくれた医師よりマラリアの治療薬としても使えるので取っておくように指示があったため、インドへくるときはいつも持ってきていた。
それがまさか本当にこうして役に立つ日がやってくるとは。
往診に来てくれた先生は、参考にと薬の説明書を持って帰っていった。
副作用が強いということで相当怖気づいてしまっていたが、これを飲めば楽になれるんだ、そうおもって毎日がんばって飲んだ。
飲んだ後に強烈な吐き気が襲ってきて吐き気止めも処方してもらった。
高熱、発汗、寒気の周期も初期は一日に1周期だったのが3周期になっていた。
大量の汗とともに熱が下がると、少しからだがらくになるものの、すぐさま強烈な寒気が襲ってきて、熱がぐんぐんあがっていくのだ。
このころには食事も果物とジュースのみしか食べられなくなっていった。だんだん体が弱っていくのがわかった。
続く。




